東京の通信制高校で大学進学を目指している元不登校生徒の話

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私が家庭教師をしている生徒の中に東京の通信制高校(正確にはサポート校)に通う2年生がいます。もともとは中学1年の夏休みから高校受験まで教えていた生徒です。希望の私立高校へ入学したのですが、いろいろとあって1年で中退してしまい、その後通信制高校に通っているという流れです。

この生徒が通信制高校に入るまでの経緯や通信制高校入学後の生活などについて説明していきます。高校中退などで通信制高校を検討している方の参考になればと思います。

私立高校中退までの経緯

現在17歳のN子さんが通信制高校に通うようになった経緯を簡単に説明します。

中学時代

中学時代は、都内の公立中学に通うごく普通の生徒でした。私は中1の夏休みから週に3回家庭教師として教えていました。成績は常に中の上くらいでどちらかというと勉強はできるほうでした。高校は第一希望の都内の私立高校に合格しました。大学付属の学校だったので本人もご両親も大学まで行けるとのことで大変喜んでいました。

高校入学~中退まで

私が家庭教師として教えていたのは高校受験までだったので、高校入学後は連絡をとっていませんでした。が、高1の6月中旬にお母様より連絡をいただき、Nさんが不登校気味になっており、週に半分も休むこともあるとのことでした。7月上旬に定期テストがあるので、勉強を見て欲しいとのことで家庭教師を依頼されました。

それで6月下旬より再びN子さんの家庭教師をやることになりました。N子さんは中学時代に比べると元気がなくなっていました。学校生活のことをきくと「規則が厳しくて、気の合う友達もいなくてつまらない。勉強も難しくてついていけない。」とのことでした。ただのわがままにも聞こえますが、この他にも他人には言えないNさんなりの悩みがあって不登校になってしまったのだと思います。

それでも7月まではなんとか学校に通い、1学期が終了しました。本格的に不登校になったのは2学期が始まってから。始業式から1週間連続で休み、その後も親が無理やり学校まで連れて行ったりしたものの10月からは全く行かなくなりました。

その後もご両親は学校に相談にいったりやれることはすべてやっていましたが、2学期はほとんど登校せずテストも受けていないので進級が難しいということになり、高1の3学期途中で高校を中退するという結論に至りました。

通信制高校選び

高校に退学届を出してからは、気持ちが吹っ切れたようでNさんは以前のように明るくなっていきました。ご両親は高校だけは卒業してほしいとの強い希望をもっており、通信制高校に通うことをN子さんに提案しました。N子さんも高校は卒業したいという気持ちがあったので、通信制高校に行く方向で学校選びが始まりました。

インターネットで通信制高校の資料を片っ端から取り寄せ、2つの高校に見学へ行ったりしてよく検討した結果、「KTC中央高等学院」という『サポート校』に入学することに決めました。

★サポート校
N子さんが選んだ『サポート校』は通学するタイプの学校で、ここで学習した内容は提携の通信制高校で単位と認められ高卒資格が取れます。
通信制高校・サポート校とは?

 

★学費
「通信制高校」は自宅学習とレポート提出がメインで学校へはほとんど通わないため学費は安いです。公立だと10万円以下、私立でも年間20万円前後です。

「サポート校」は、入学金や授業料など含めると初年度は80~100万円程度かかり私立高校とほぼ同じです。学費が高い分、サポート体制がしっかりしているのでほとんどの生徒が高校卒業資格をとれます。

★N子さんがKTC中央高等学院を選んだ理由
・サポート体制が整っており卒業率が非常に高い
・見学のときの雰囲気がよかった
・大学進学する人も結構いる
・課外活動があって楽しそう

卒業率が他の学校に比べて圧倒的に高いことに加え、N子さんの場合、将来大学に行きたいという希望もあったため、大学進学実績の高い点も決め手となりました。

1月後半に書類審査と面接を受けて、2月中旬には入学することができました。たいていのサポート校は、時期を問わず常に入学可能なため、見学に行ってから入学するまでわずか1か月しかかかりませんでした。

N子さんは高校を中退してから不安な日々を送っていましたが、サポート校への入学が決まってからは精神的にとても楽になったとのことです。

KTC中央高等学院に入学して

KTC中央高等学院は、キャンパスが全国33カ所(仙台、東京、大阪、福岡など多数)にある大規模な学校です。

N子さんは1年生の終わりに入学して、現在2年生です。サポート校は在籍期間が3年以上必要です(転入や編入の場合は高校の在籍期間が加算されます)。

週に5回通うコースに在籍していますが、不登校グセがあるため、週に1~3回しか通っていない状況です。それでもレポート提出とスクーリング、年1回の試験を受ければ卒業できます。一般の高校に比べると卒業のハードルは随分と低いです。

レポート

通常の高校のような定期テストはないので、レポートを提出することで単位がもらえます。レポートの内容は簡単なので、教科書を見ながらやればすぐに解ける内容です。

これが1年分のレポートです。それほど量は多くありません。
レポート表紙

単位取得に必要な教科を学びます。
レポート目次

レポートはすべてマークシートです。これは英語。
英語

数学はこんな感じです。自力で解けない場合は先生がサポートしてくれるので、勉強が苦手な人でも心配いりません。
数学

レポートの提出状況なども管理できるしくみになっています。
進捗状況表

スクーリング

毎年1回、提携している通信制高校の『屋久島おおぞら高等学校』で5日間のスクーリングを受けます。

みっちり勉強をするというよりは、滝を見に行ったり屋久杉を見にいったりと観光的なことも多く、生徒が楽しめるように工夫されているようです。N子さんの話では、いろいろな校舎からの生徒と触れ合うことができて楽しめたとのことです。

1回の費用は10万円程度かかるので、決して安くはないですが、これに参加しないと進級も卒業もできません。

学校生活

N子さんは不登校気味ではありますが、学校内では楽しく過ごしているようです。午前中は授業を受けて、午後は課外活動に参加したりしています。先日は大好きなアニメ関連の課外活動に参加してとても楽しんでいました。

春にはカナダへの2週間の語学留学も体験しました。ホームステイ先などすべて学校で手配してくれて、充実した留学になったようです。もともと国際的な仕事がしたいとの希望があったのですが、留学後さらに強くなり国際関係のことを大学で学びたいと言っています。

現在は、来年の大学入試にむけて、学校での勉強に加えて、週に2回私が英語と数学を教えています。

高校を不登校になったころは、元気もなく精神的にも追いつめられていたN子さんですが、それから1年以上がたちすっかり元気になりました。高校中退という厳しい経験をしたN子さんですが、現在は目標に向かって勉強を頑張っています。

現在N子さんと同じような状況の方やその親御さんがおられると思いますので、少しでも参考になればと思います。

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