宿題なし・テストなしの公立中学校で学力アップ?千代田区立麹町中学校

宿題なし、中間・期末テストも廃止、固定担任制も廃止するという大胆な改革を実施して、成功している公立中学をご存知でしょうか。全く新しいタイプの教育システムを実践しているのは、都心のど真ん中にある千代田区立麹町中学校。このシステムを作り上げたのは工藤勇一校長

工藤校長の麹町中学校の取り組みは、新聞・雑誌をはじめ、NHKおはよう日本、林先生の初耳学SP、カンブリア宮殿などのTV番組でも取り上げられており、かなり有名です。

いまや麹町中学の人気はすごいもので、学校説明会には保護者が殺到し、授業の視察には全国の教員などが絶えなく訪れます。

千代田区立麹町中学校の教育改革がスゴイ!

麹町中学校とは

斬新な教育改革ときくと、私立中学を思い浮かべますが、麹町中学校は公立中学校です。

しかし、普通の公立中学とはちょっと異なります。永田町からほど近い都心にあり、財界の重鎮やその子息が多く通っていたことでも知られます。

現在は工藤校長の教育メソッドで注目をあびていますが、麹町中学は昔から越境入学者の多い「区立の名門中」「進学校」として有名で、『麹町中→日比谷高→東京大学』というのがエリートコースでした。

校舎は2012年に建て替えられて、地下1階、地上6階建ての非常に近代的な校舎です。先日TVで放送されたのをみましたが、私立学校並みの最新の設備が揃っていました(下手な私立学校よりも全然上)。

麹町中学に入学するには?
麹町中学は公立校なので入試はありません。千代田区在住の中学生であればだれでも通うことができます。千代田区外から越境入学するためには、「両親が共働きで、いずれかの職場が千代田区内にある」というのが条件です。

麹町中学校の教育改革

麹町中学校が行った大胆な教育改革で有名なのが以下の3点。

  • 宿題の廃止
  • 中間・期末テストの廃止
  • 固定担任制の廃止(全員担任制の導入)

学校にとって当たり前であるテストや宿題をなくしてしまったというのは本当に大胆です。しかし、実際はテストや宿題を完全になくしたわけではなく、合理的なやり方に変えただけなのです。

例えば、テストは単元ごとに「小テスト」を実施しており、テストの回数自体は中間・期末テストよりも多くなっています。しかもテストは1回目の点数が悪かったら2回目を受けることができ、2回目の点数が採用されるというので生徒のやる気も上がるわけです。テスト2回導入制度は本当に素晴らしい取り組みだと感じました。

単元ごとにしっかりとテストをやるのは、年に数回の中間・期末テストよりも定着率を高められ、結果的に学力も向上するのでしょう。

「定期テストの一夜漬けは意味がないので、単元ごとにしっかりとした知識をみにつけよう!」という非常に理にかなったことを実践しているのです。

また、「宿題なし」というのも家で全く勉強をしなくてよいわけではなく、生徒自らが勉強の計画をたてて、必要な勉強を自主的に行うというもの。

全員同じ宿題をだされるのでは、わかっている内容を何度もやることになって意味がない。『わからないことをわかるようにすることに意味がある!』との考えで、それぞれに合った勉強を促すという取り組みなのです。

なので、「宿題・テストを廃止!」と聞いただけだと放任主義だと勘違いされますが、その内容を確認してみると、実に合理的なやり方を採用しており、生徒の自主性を尊重する教育方針なわけです。

勉強をやらされるのではなく、自らやる気になってやる!と生徒に意識改革をさせているわけです。

このような改革の結果、生徒全体の学力が底上げされたというのは納得がいきます。

上記の他にも、「私服で登校してもよい期間がある」、「体育祭でのクラス対抗を廃止した」…などの取り組みがされています。

無駄をなくして、生徒の自主性を育てるという工藤校長のメソッドは確かに素晴らしいと思います。

工藤勇一校長とはどんな人?

ビジネスマンとして成功した人を中学の校長に誘致した、という話はたまにありますが、工藤勇一校長はそのようなビジネス界から来た校長ではなく、ずっと公務員で公立中学に勤めてきた普通の教員です(これだけの改革をしたので普通ではないかもしれませんが)。

工藤校長は1960年生まれ、現在59歳です。著書によると息子さんが2人いるようですが、子育ては奥様に任せきりだったそうです。

最終学歴は東京理科大学理学部応用数学科とのことなので、理系ですね。麹町中学校校長に就任したのは2014年。それから上記のような教育改革に取り組み、成果をだしていることで、メディアの注目も浴び、麹町中学校は視察の絶えない中学校となっています。

著書も何冊かあります。

麹町中学校の型破り校長 非常識な教え

学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革

また、工藤校長の教え子で成功しているビジネスパーソンがいます。26歳の最年少で東証マザーズに上場ししたインターネット広告代理店「アドウェイズ」の岡村陽久社長。工藤校長のメソッドの成功例です。

今後も続々と成功をおさめる卒業生がでてくるのではないかと思います。

他の公立中学で同じような結果がでるか?

先日放送されたテレビ東京のカンブリア宮殿の最後のほうで麹町中学を手本として、同様の教育システムを導入し始めた石川県金沢市の公立中学校が紹介されていました。

インタビューに答えていた生徒は「成績が上がっている」など前向きで成功している感じでしたが、地方の公立学校でも麹町メソッドがうまくいくかはちょっと疑問です。

工藤校長の斬新な教育改革が成功したのは、東京のど真ん中にある中学校だからという点も大きいのではないかと思います。要は、親の生活水準・教育意識が高く、比較的育ちのよい子供が集まっている地域の中学であるということです。実際、麹町中学の生徒の多くが中学受験に失敗して、麹町中学に入学してくるとのこと。

中学受験に失敗したとはいえ、多くの生徒が中学受験の勉強をしてきたということは地方にいる普通の中学生たちとは違います。もともと学習の習慣があり、基礎学力がある程度あり、塾に通っている生徒も多いことでしょう。また、親の学歴も高いと思われます。

ジャガー横田さんの長男・大維志(たいし)君も麹町中学を選んだ!
大維志君といえば、TV番組で中学受験を頑張る様子が放送されましたが、残念ながら志望校には不合格でした。滑り止めの私立中学には受かったものの、結局は学区外の麹町中学へ越境入学しました。

大維志君をみても、富裕層家庭で育ち、中学受験のために猛勉強をした経験があり、ごく一般的な庶民の子供とは異なります。少なからずこのような環境の子供たちが麹町中学に入学してくるということです。

なので、麹町中学のメソッドを地方の普通の公立中学で実施しても同じ結果がでるかは疑問です。学習意欲が低く、塾にも通っていない子供たちに「宿題なし」「テストなし」を実践したら、学力があがるどころか、学力水準が下がってしまうでしょう。

麹町中学の教育メソッドを利用した中学での結果がどうなるのかに今後注目していきたいです。

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