教えない塾で成績は上がるの?

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最近、授業を教えないタイプの塾が出現しています。テレビや雑誌などで取り上げられることが増えているので、ご存知の方もいると思います。

従来の教えるタイプの塾と教えないタイプの塾どっちがよいのかは、生徒それぞれの学力や学習意欲によるところが多いと思います。また、教えないタイプの塾といっても質はピンキリなので、塾の質を見極めることも重要です。

勉強を教えない「自立学習型」の塾とは?

「授業をしない塾」「勉強を教えない塾」が最近増えています。「自立学習型」の塾などとも呼ばれます。

「塾って勉強を教えてもらうところなのに、教えない?」と不思議に思う方もいると思います。教えない塾は、高校生や予備校生向けには以前からありましたが、最近では小中学生向けの塾でも教えないスタイルが増えつつあります。

教えない塾として有名なのが「武田塾」。首都圏を中心に200か所以上の教室があるかなり有名な塾です。武田塾のスタイルとしては、生徒ごとに個別カリキュラムを作成し、使う問題集・毎日やるべき課題を指示されます。講義をするのではなく、勉強法を指定し、自分で自習をします。テストなどで課題ができているかの確認もしてくれるので、塾の指導に従って勉強してれば、目標を達成できる…といったしくみになっています。

武田塾は『自学自習こそが最も大事!』という考えです。

このような授業をしない武田塾の月謝は最も安いコースでも2万円程度かかります。授業をしないからといって、月謝がものすごく安いというわけでもありません。

教えない塾で成績は上がるのか?

上記で紹介した武田塾に実際に1年間通って、E判定から早稲田大学に合格したという生徒に会ったことがあります。その生徒は1浪で、浪人中は武田塾の自習室で懸命に勉強し見事希望校へ合格しました。

彼の場合は、高校時代に勉強しなかったため、高校の成績は優れなかったものの、中学時代はトップレベルの成績で進学校に通っていました。元々の頭がかなりよかったので、武田塾に入って、指導された内容を勉強をすることでぐーんと一気に成績が伸びました。毎日10時間以上勉強していたそうです。

このように、ある程度の基礎学力があって、やる気のある生徒であれば、適切な問題集を使って自学自習をすることで学力は伸びるでしょう。

これは大学受験生だけでなく、小中学生にも言えることです。

勉強を教えない塾で伸びる生徒は、『基礎学力があり、自ら学ぶ意欲がある』ことが最低限必要です。そのため、学力が平均よりも低くて、自分ではなかなか勉強できないタイプの生徒には向かない可能性が高いです。学力が低い場合は、だれかに教えてもらわないと勉強が理解できず進むことができません。

勉強が苦手で成績がよくないお子さんの場合には、教えるタイプの従来型の塾や家庭教師の指導を受けたほうが効果的です。

教えない塾の質はピンキリ!

自立学習型の塾といっても、さまざまなタイプがあり、かなりいい加減な塾もあります。私が以前教えていた生徒で、『自習室での勉強を基本として、大学生のチューターが学習計画をたてる』といったタイプの塾に通っていた中学生がいました。

英数の2教科、週3回通って月謝は2万円程度だったそうです。月謝自体はとりわけ高くもないですが、安くもありませんね。

中学1年の途中から約1年間その塾に通っても、全く成績が伸びず、中2になって成績が急激に下がってきたため、私に家庭教師を依頼してきたという経緯です。その中学生に話をきくと、「チューターが学習計画をたてたのは最初の1回だけで、あとは自習室でテキストを少しやるだけで、ろくに内容の確認もしなかった。」とのことです。

チューターは大学生なので、絶対に成績を伸ばすといった指導ではなく、世間話などを楽しんだりもしていたようです。中学生にとっては、大学生と話して楽しいかもしれませんが、肝心の勉強をきちんと指導してくれないというのは困りますね。

親御さんの話では、「子供が楽しそうに塾に行くのできちんと勉強していると思っていた。」とのことです。

塾の質はピンキリなので、よく見極める必要があります。最近はたいていの塾で、入塾前に無料体験が受けられるので、体験をしてみて、合うかどうか確認するのがよいでしょう。

私の個人的な考えとしては、高校生や予備校生であれば教えない塾でもよいと思いますが、小中学生には従来タイプの教える塾に通わせるのが無難に思います。

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