2016年度から変わる都立高校入試制度

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東京都立の入試制度が平成28年度の入試から変わります。私は現在23区内の公立中学3年生を2名教えており、2名とも都立高校が第一志望です。結構大幅な変更なので、最初きいたときには驚きました。変更点についてに具体的な内容を確認していきたいと思います。

2016年度から変わる都立高校入試制度

1.学力検査は原則5教科になる!

入試の教科数が変わります。これまでは学校により3教科~5教科で実施されてきましたが、第一次募集では国語・数学・英語・社会・理科の「5教科」、第二次募集では国語・数学・英語の「3教科」となります。これは原則すべての学校で適用となります。

2.学力検査と調査書の比率は原則7:3になる!

都立入試では、入試当日に行われる学力検査と中学校の学習の成果をみる調査書を合わせて選抜を行っています。これまでは各学校が[学力検査:調査書]の比率を[7:3][6:4][5:5][4:6]のいずれかで決めていましたが、この比率が変更となります。第一次募集では原則すべての学校で[7:3]になります。第二次募集では原則すべての学校で[6:4]になります。どの学校も学力検査重視の選抜となります。

都立入試変更点1

3.実技4教科の内申が2倍になる!

内申点(調査書点)の換算方法が変更になります。内申点を算出する際にこれまでは、実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)に1.3倍または1.2倍していました。新制度では内申点を算出する際、実技4教科に2倍します。

都立入試変更点2

現制度と新制度の違いを具体例で見てみると、

・Aさんは主要5教科がオール、実技4教科がオール
・Bさんは主要5教科がオール、実技4教科がオール

★現制度(実技4教科×1.3)
・Aさん:x5教科+(x4教科)x1.3=35.8
・Bさん:x5教科+(x4教科)x1.3=35.6
⇒AさんとBさんの差は0.2点

★新制度(実技4教科×2)
・Aさん:x5教科+(x4教科)x2=47
・Bさん:x5教科+(x4教科)x2=44
⇒AさんとBさんの差は3点

現制度と比較して、新制度は実技4教科がしっかりできれば、主要5教科が出来るよりも内申点の開きが大きくなります。中学校の学習活動においては9教科全てが大切であるとの考えからこのような評定方法になったようです。したがって、実技4教科のテスト対策もしっかりとやることが今後は重要になってきます。

詳細は東京都教育委員会のウェブサイトをご確認ください
平成28年度東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへ

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

私が現在教えている都内の生徒さん2人は、どちらも実技4教科が苦手なので、この制度になることで従来よりも不利になってしまいます。体育や音楽などの実技教科は本人の努力だけではどうにもならない部分もあるので、実技4教科が苦手な子にとって新制度は気の毒に思います。

とはいえ、技能教科も実技だけではなくて定期試験(期末試験)があります。実技が苦手でも、定期試験でよい点数をとれば成績アップも見込めます。今後は技能科目の定期テストにもしっかりと力を入れることが重要になってきます。

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