「定期テストの点数が25点以上上がることを保証します。」や「2学期以内に成績が上がらない場合は1学期間の授業料を免除」などの保証を売り文句としている塾があります。実際はどうなのでしょうか。
私は過去に塾で教えていた経験がありますが、このような成績保証をしている塾に勤めた経験はありません。しかし、私の知り合いがこのような塾にに勤務していたのでカラクリを知っています。このような制度が決して悪いということではありませんが、落とし穴もあるので今回は「成績保証の塾」について説明したいと思います。
そもそも成績保証とは?
「学校の定期テストでの点数アップを保証します」「もし期間内に目標点数に達しなかった場合には、授業料を免除します。」という制度です。
多くの親御さんは『せっかく塾に入るなら、成績保証制度があったほうがしっかり見てもらえて安心』と考えて成績保証のある塾を選ぶことがよくあります。これは決して間違いではありませんが、ちょっとしたカラクリがあるので注意が必要です。
成績保証制度の実態・カラクリ
成績保証制度がある塾だからといって、特別な指導法をするというわけではありません。成績保証制度は「60点以下で入塾の場合+20点以上を保証」「60点以上で入塾の場合80点以上を保証」などとなっています。
これは実際に成績保証をしている塾の実際の広告です
定期テストの点数が60点以下の生徒さんというのは、これまで勉強の習慣がないケースがほとんどなので、塾で授業を受けて、宿題をきちんとやるようになれば、定期テストで得点アップするのは自然なことです。また、すでに60点以上ある生徒さんが塾できちんと勉強すれば20点アップするのも普通のことです。したがって、保証制度をクリアするのはとても簡単なのです。成績保証があるからと言って特別な仕組みがあるわけではないのです。
実際に成績保証で有名なM塾では、多くが大学生のアルバイト講師で他の塾に比べて特別優れた指導法があるわけではありません。
また、目標点数に達成できなくて返金を受けようとすると、さまざまな条件を満たしていることが必要となり(出席率80%、小テスト得点率が80%以上、指定する教材を購入、宿題は毎回提出するetc)、授業料免除となることは難しいのが現状です。授業料を免除していたら塾経営に影響がでるので当然と言えば当然ですね。
また注意点としては、成績保証制度は「1回でも達成したらその時点で終了」となります。塾に通っている間ずっと保証してもらえるわけではありません。
成績保証制度よりも子供にあった塾のほうが大事
以上のように成績保証制度はその謳い文句に魅力を感じてしまいがちですが、決して特別な指導をしているわけではないので「成績保証の有無で塾選びをするのは賢明ではありません」。
たいていの塾では体験授業を入塾前に受けることができるので、お子さんに体験レッスンをうけてもらってお子さんに合った塾かどうかを見極めることが重要です。先生との相性や生徒の雰囲気など塾によってかなり違いがあります。
親が強制的に塾に行かせるよりも、お子さんが自分から進んで塾に行った方が確実に結果につながります。そのためにもお子さんに合った塾をえらぶのがとても重要です。
また、塾に通って成果がでやすいのはある程度勉強のできるお子さんです(目安:テストで平均点以上、偏差値50以上)。定期テストで平均点以下しか取れないお子さんの場合は、塾の授業についていけない可能性が高いので、家庭教師(または1対1の個別指導塾)をつけたほうが結果に結びつきやすいです。
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